−『CANADA GOOSE』のセールスマネージャーを務める柿谷広樹さん生産ラインを確保するための特殊な展示会スケジュール日本では2000代年より卸販売が行われていましたが、2016-2017年秋冬コレクションより『サザビーリーグ』が独占販売契約を締結したことをきっかけに、アイテムのラインナップも広がり、勢いを見せている『CANADA GOOSE』。メイドインカナダにこだわり、寒冷地ならではの厳しい管理下で製作されているアイテムは生産数に限りがあるため、日本においての受注ラインを確保できるように、通常より半年早い時期に展示会受注を行うという特殊な方法を採っています。「他国の卸売りは、各モデルの生産数量が決まっているため本国が各卸先に"パッケージ提案"しているのですが、日本のマーケットにおいてはあくまで小売店様が欲しいものを"バイオーダー"したいと思っています。そのシェアを確保するためには、本国で各国のプログラミングをする前の時期に展示会を行う必要があるんです。」展示会は通常より半年早めの開催となるため、新色のサンプルが間に合わず、代わりにその詳細を載せた別紙を配布してカバーしていたそうです。バイヤーさんに配布する紙資料の枚数は他と比べると多め。その状況を一転するきっかけとなったのが、同事業部長がパリで経験した意外な出来事であったと柿谷さんは言います。「事業部長がとあるブランドの展示会でパリに出張をした際に、宿泊先のホテルでブランドの資料をプリントアウトしたのですが、その請求額が想像以上に高かったそうなんです。今では自ら資料を印刷をしたりをするようなことは少ないので、印刷コストについて問題にするようなことはなかったのですが、このことをきっかけにセールスのやり方を見直すことになりました」TERMINALの利用を検討する際には、事業部内で複数のブランドを束ねる隣の部署よりも、1ブランドで完結している『CANADA GOOSE』事業部からの方が、トライしやすかったということも導入を進めるうえでの大きな理由でもありました。「今では、ほぼ紙を使ってないです」現在では、約100のアカウントを営業3人と営業サポート2名による計5名体制で行なっているという『CANADA GOOSE』の卸業務。TERMINAL導入前は、セールス側も取引先側もそれぞれの負担がありましたが、システムを導入してそれらが少し軽減されたと言います。「資料のプリントやデータ作成、集計などアナログなコスト削減はもちろん、バイヤーさんたちによっては手間がなくなったりと、お互いが効率的に業務を進められるようになったと思います。オーダーに関して言うと、自社のフォーマットで送ってくるところやファックスで送付してくるところもあるなど、形式がバラバラだったんです。また、手書きで読み取れない文字は、都度電話で確認をしていましたし、相手が不在で確認を取るまでに時間がかかってしまうこともあり、限られた期間内で対応しなければいけないからこそ、各スタッフの負担も大きかったです。」−1型につき、それぞれ5〜6色のカラーラインナップさらに、TERMINALの導入で大きく改善されたポイントとして、「サザビーリーグ」の基幹システムと連携をし、データのやり取りをスムーズにできるようになったという柿谷さん。これまで手動で入力していた商品登録、受注データ取り込みの作業が一括処理できるようになりました。「物流や会計についてはサザビーリーグの基幹システム側で管理されているため、受注データを決められた期日までに登録する必要があります。これまでは1つずつSKU、得意先別に打ち込みをし、ダブルチェック、トリプルチェックをしていました。確認作業は綿密におこなっているので大きなミスが起きることはよっぽどありませんでしたが、アナログ対応のため作業的にはかなり負担でした。今ではTERMINALでの受注終了後に一括でデータを書き出して取り込むだけで受注登録作業を完了できるようになったので、ミスの回避や作業時間の短縮につながりました。」システムをより上手く活用するために−ダウンウェアだけに留まらず、キャップや手袋などのアクセサリーも多数展開。写真は『New Era』とのコラボキャップ「これも他のブランドさんにはない事情ではあるのですが、同じ品番でも色ごとに納期が違うんです。それを管理するにしても、数色とかならいいのですが平均で5〜6色展開となるので、これがスタイルごとにあると品番の管理が大変でして……。管理のしやすさとオーダーのしやすさを維持しながらも、利用方法を工夫したり、機能のアップデートをリクエストしたりすることで、管理や分析などさらなる効率化にも繋げられるようにしていきたいとおもっています。」多くの「特殊な事情」を抱えながらも部署内のパフォーマンスを向上していくために、今後もTERMINALを活用していくことに意欲を見せています。−白を基調とし、全面ガラス張りで開放感に溢れた千駄ヶ谷のプレスルーム