営業が営業に専念できるように —— 導入のきっかけ導入のきっかけは、ブランドにメンズのラインナップが増えたことで、その分のオーダーも増え、作業数が膨大になったことがはじまりと中本さんは振り返ります。「私たちは自社で製造しているファクトリーブランドなので、オーダーいただいた集計をまとめてから、それをさらに自社工場に生産指示をする作業もすべて自分たちで行う必要があります。糸の発注など、細かい工場側の作業もあるため、メンズが増えたことでそれらの作業数も倍以上になりました。その作業が遅れてしまえば納期が遅れてしまいますし、ちょうどメンズがスタートして徐々に売上も増えてきていた段階だったので、『営業が営業に専念できるように』と、導入を決めました。」サービス自体については、他社の展示会で利用したこともあり知っていたそうですが、いざ自分たちが導入するうえでは「いままでFAXやメールでの対応をしていたお客様がスムーズに使えるだろうか?」と、心配していたそうです。−展示会後の集計作業だけでなく、会期中に予測が立てられるなど、ファクトリーブランドならではの利点も見いだされていると語る中本さん 導入して一番解消できたのは“時間”「最初の展示会では、8割ほどTERMINALでオーダーいただくことができました。2割のお客様はパソコンを持っていない方や期日に間に合わなかった方、会社で決まったフォーマットがある方などでした。初回を終えてみて心配していた『使えないのでは』と心配していたお客様もごく一部でしたし、思っていた以上にスムーズに利用いただけた印象でした。導入前はさまざまなフォーマットで届くオーダーをすべて手打ちで入力していたため、ミスを防ぐための2重確認など、とにかく作業に時間がかかっていました。導入後、一番解消できたのはこの時間の部分です。私たちは展示会終了後、生産にいかにスムーズに回せるかどうかが重要なのですが、TERMINALだとオンライン上でオーダーのランキングも見られるので、ある程度展示会中に数の予測も立てられますし、オーダーが締まる前の段階で生産に回して先行発注をするなど、発注作業にも役立てています。」動画の発信という新たなチャレンジこれまで年2回東京とパリで展示会を行ってきましたが、新型コロナウィルスの影響でパリでの展示会を3月に実施した以降は海外での展示会開催は断念されているとのこと。その対策として、今年の21S/S展示会では東京、大阪の2拠点で7月末に開催されたそうです。「東京の実施を検討しているときに来られない地方のお客様が多いことが分かり、その特別対応として東京と大阪の2拠点で実施することに決めました。それでも九州や四国などの来られないお客様にはTERMINAL上から商品をピックアップしてもらい、サンプルをお送りするなどで対応しました。中にはTERMINALだけでオーダーしてくださるお客様もいらっしゃいました。オーダー数量は落ち込みましたが、コロナの影響で業界全体が大変な時期ですので、私たちも今は踏ん張りどころだと心を決めました。結果的には、オンラインでの施策を考える良いきっかけにもなりました。」『COOHEM』が7月の展示会で新たにチャレンジしたのは新しくリリースされた動画配信。今までは物撮りの商品画像のみを掲載していましたが、動画の公開は非常に効果的だったそうです。「スタッフが着用した動画を撮影して掲載したのは初の試みでしたが、やってみて良かったです。今回やってみたことで今後インスタグラムなどのSNSでも発信してみようと考えたり、さらにクオリティの高い動画を公開していこうと思えるきっかけにもなりました。実は、今回チャレンジしたことで、山形のファクトリー内の空いている部屋を改修して撮影用のスタジオを作ったんです。次回の展示会では、そのスタジオで撮った動画や静止画をフル活用していきたいなと思っています。」なんと工場内に撮影スタジオまで作られたとのエピソードも。そのほかにも、次回の展示会開催に向けて、さまざまな施策を模索中だと中本さんは続けます。「来年の展示会は3月に、また東京と大阪の2拠点でやろうと考えています。その時は、商品説明をライブ配信するなど、展示会に来た方も来られなかった方も皆さんに見ていただける情報をオンライン上で発信できたら、と思っています。7月の展示会を終えてみて、オフラインの展示会だけでは難しいと痛感したので、もっとオンラインのサービスを活用しながらお客様との距離を縮め、良い関係性を築いていける発信方法を考えていきたいと思っています。」最後に、リアルタイムにいつでもデータが見られるTERMINALの今後の活用方法として、マーケティングの要素にも取り入れていきたいと意気込みを語られた中本さん。ファクトリーブランドとして、会社のなかでモノづくりができる『COOHEM』ならではの新たな活用方法に、今後も目が離せません。