時間短縮とミスがなくなることに期待ゼネラルマネージャーの野原さんは、現在18ブランドある同社のブランドの中からどのブランドでTERMINALを利用するかの管理をしており、現在は10ブランドで利用をしています。活用方法もブランドによって使い分けている様子は、さまざまなコンセプトのブランドが混在する同社ならではの活用方法。実際に『ENFÖLD』『någonstans』で主にTERMINALを利用している長谷川さんに、導入前の課題についてお聞きしました。「個人オーダーが多いので展示会の後は紙のオーダーシートをエクセルに打ち込むだけで相当な時間がかかっていたのですが、翌週にはオーダーを提出しなければならず、通常業務が終わってからかなり遅い時間まで打ち込み作業に追われていました。また、導入前は一人で担当していたため入力後の確認作業も一人で行っており、お客様に書いていただいた内容に間違いがあるケースもありましたし、もちろん自分の入力ミスもあるので、確認には相当な時間をかけなければならなくて。本当はそういう時間はサンクスメールを書くなどの時間に使いたかったのですが、そういう時間が取れないほど忙しく、大変でしたね。」−PRマネージャーの長谷川裕美さん導入前は集計作業を一人で行っていたと振り返る長谷川さん。当時はエクセルのフォーマットもバラバラだったため、PR、MD、発送担当など複数のセクションでデータを照らし合わせる手間も膨大だったとのこと。それらに加え通常のPR業務も行っていたため、展示会後は通常業務を終えた後に集計作業をするという激務の日々が続いていたようです。すでに社内の他ブランドでTERMINALを利用していたこともあり、私たちが担当する2ブランドでの利用開始も必然の流れだったようで、「情報の登録など事前の準備は大変そうだと思ったのですが、それも最初だけでその後が楽になれば頑張れると感じたのと、何より時間の短縮とミスがなくなることを期待していました。」と当時を振り返ります。「TERMINALを知っているお客様も多くて、説明するとスムーズに楽しんで利用いただくことができました。展示会って、少し手持ち無沙汰になってしまう瞬間があると思うのですが、待っている間もオンラインで商品を見ながら会場を回れるので、その点も良かったです。スタイリストさんやライターさんなど、時間が無い方も、『ごめん、移動中にオーダーするね!』という感じで、後でゆっくりオンラインで見てオーダーいただけるようになったのも大きな変化でした。」(長谷川さん)「会場の景色も大きく変わりましたね。以前は紙だったので皆さんにバインダーを持っていただいて、商品タグと照らし合わせながら記入いただくため、どうしてもタグが取れてしまうなど管理が大変でした。そういったストレスもなく見ていただけるのも大きな変化でした。また、これまではオーダーの控えを紙でお渡ししていましたが、それもオンライン上でいつでも見られるので、自分が何をオーダーしたか、すぐに確認いただけます。あとは住所変更などもシステム上で入力できるので、展示会場ではそういった事務的なお話をすることなく、しっかり商品についてやシーズンのコンセプトについてお話できるようになったのも大きな利点でした。」(松本さん)−PRの松本直大さん独自のデータ活用で社内での連携もスムーズにまた、TERMINALをデータ活用の面でも役立てているとのこと。「リアルタイムでオーダー状況が見られるので、『いまこのアイテムが反応いい』というのがすぐに分かります。展示会開催中に受注数の多い商品を確認して、全体のレイアウトを変えるなど工夫できるので、戦略的に展示会を運営することができるようになりました。データをすぐに確認して反映できるのは、オンラインならではだと思いますね。PRとしては商品を掲載いただくことも大きな仕事のひとつですから、編集者の方々が飽きないようなプレゼンテーションが必要です。そういった言葉選び一つもデータを見ながら変えていけるので、リアルタイムでのデータのチェックはかなり重要です。」(松本さん)「ここでは2ブランド一緒にやっていますが、本社ではもっと多数のブランドで展示会を行っているので、例えば『あのブランドが集客できていて、やっぱり呼んでいるお客様のオーダー数がすごいよね』といったような、ブランドごとの特性もデータで見ることができます。時期によってはアウターなどのアイテムにフォーカスして、どのブランドのアウターが一番売れているのかなど、ブランドの垣根を超えて社内で情報共有できるなど、今までは個々のブランドだけでしか得られなかったデータを、会社全体として活用することができています。」(野原さん)3月の展示会は中止に。コロナ禍での展示会の在り方を模索通常は年2回の展示会を行っているという『ENFÖLD』と『någonstans』。今年3月に実施する予定だった展示会は、準備もすべて終えていたにも関わらず、新型コロナウィルスの影響で残念ながら中止せざるを得ない状況になってしまったとのこと。「3月は、やはり実際に商品を見ていただきたいという思いもありましたし、まだTERMINALに絵型しか載せられていなかったこともありオンラインのみでの実施もせず、展示会自体を中止する決断をしました。そのような3月の経緯もあったため、10月に行った春夏展示会では、絵型だけでなくトルソー着用写真やディテールの写真も入れるようにして、少しでもオンライン上で多くの情報を見ていただけるように準備しました。結果、コロナの影響もあり来場者数は昨年よりも減ったもののオーダー数は多く、これは写真の効果が絶大だったと感じています。今後も引き続き写真は活用していきたいと思っています。」(長谷川さん)3月に実施するはずだった展示会を残念ながらコロナで中止することになったことで、より一層オンライン上の情報を充実させるなど、新たな活用方法にチャレンジしているという『ENFÖLD』と『någonstans』。今後も感染防止に努めた上でリアルでの展示会は行っていきたいとのこと。さらにTERMINALをフル活用しながら、展示会はよりフィジカルな体験を提供できる場として、工夫していきたいと今後の意気込みについても語ってくれました。