過酷なアナログ作業から一刻も早く抜け出したかったTERMINAL導入前の業務内容について天満さんにうかがうと、展示会前には商品の撮影や、撮影後のトリミングをおこない、ラインシートの作成。展示会が終わると、1社ずつのオーダー集計まで、展示会で前後の事務作業が非常に多く、どの業務も時間との戦い。徹夜での作業になることも多く、なんとか期日に間に合わせてきたと言います。「展示会は毎シーズン3日間開催しています。展示会前は品番、カラーごとに1枚ずつ写真を撮影します。当時のデジカメは今のiPhoneよりも性能が悪かったので、撮影したらそのまま使えるというわけではなく、色味の調整やトリミングなどの作業が必要でした。その画像を品番や納期を記してエクセルにまとめる作業を、徹夜して死に物狂いで行っていました(笑)」−営業統括マネージャーの天満友和さんと、営業部の柳澤奏さん激務が続いた展示会準備がようやく終わったら、今度は取引先からのオーダー入力作業が待っています。各ブランドに2日以内に集計データを渡す必要があるため、エクセルで作成されたフォーマットにひたすら打ち込んでいくといいます。「集計作業を受注締め切り日から2日以内に終わらせないといけないため、この作業も徹夜が多かったです。毎回ギリギリ間に合わせている状態だったので、確認作業をする時間もなく、ミスが怖かったですね」−展示会の度に徹夜作業が続いたという天満さん作業量が10分の1に減り、業務が劇的に変化そんな過酷な作業量を解決したく目をつけたのがTERMINAL。天満さん曰く、当時はまだガラケーの人も多く、アパレル業界にとってもデジタル化がそこまで普及していなかった時代。それでも、当時のアナログな状況を早く変えたいという思いが強く、導入に踏み切ったとい言います。 「今ではまず帰れないということがなくなり、作業量も今までの10分の1ほどになったと思っています。導入前は作業が追いつかないため、展示会中はメールなどの対応を事前に断っていたのですが、今では問い合わせなどの対応が可能になりました。また、空いた時間は遠方から展示会に来場いただいた取引先の方と会食に使えるようになったり、違う業務に時間を使えるようになったのは大変助かっています」さらに、展示会中にデザイナーや企画担当に、具体的な数字でオーダーの速報値を正確に伝えることができるようになった言う天満さん。「TERMINAL導入前は、デザイナーたちから速報を聞かれたときに、『このアイテムをたくさんエクセルに打ち込んだな』と、オーダーの状況を感覚的に伝えることしかできなかったのですが、今では数字を見て正確な情報を共有できるのはありがたいです。途中経過の数字は商品の納期にもかなり影響するので、常にPC上で確認できるのも便利ですね」−TERMINALの導入移行のサポートによって、システムも使いやすいためスムーズにデジタルに移行できたとのことスマホ文化とともにバイヤーたちがデジタルに適合業務が格段にスムーズになった一方で懸念していたのが、取引先の方がTERMINALを使ったオーダー方法に適応してくれるかどうか。そんな天満さんの心配は時代の流れとともに解消されていったと言います。 「導入から1、2回目の展示会ではまだWEB画面からのオーダー入力に慣れないバイヤーさんもいたのですが、同じターゲット層の他社ブランドでもTERMINALを導入する企業が増えたことで、よりバイヤーさんが適応できるようになっている気がします。今では全体の9割以上がTERMINALを活用してくれています」−商品登録から集計までスムーズにこなしていると言う柳澤さんTERMINAL導入前の過酷な時代を知る天満さんとは対照的に、TERMINAL導入後に作業担当となった柳澤さん。天満さんから当時話を聞くと、その終わりの見えない作業量に驚きをみせていました。 「現在は5ブランドの展示会を営業3人で担当しているのですが、それを手作業で集計していたのは信じられないですね。サービスの操作も簡単で分かりやすく、非常に効率的に業務に取り組めているなと感じています」−アプリを使って、簡単に商品を購入できるので社員からも好評とのこと社員販売でもTERMINALを利用『恵山株式会社』が卸売り以外に活用しているのが、スマートフォンアプリを利用した社員販売。社員のオーダーがただ簡単になっただけでなく、モチベーションの促進にも繋がったと言います。 「スマートフォンを利用した社員販売は、本社スタッフが利用しているのですが、自身のスマホから確認できるようになったことで、オーダー締切日ギリギリの駆け込みオーダーが増えたましたね。その結果、社員からの人気ランキングが即座に見られるようになったので、それを社内で共有することで、各ブランドのモチベーションアップに繋がるようになりました。やっぱりデザイナーにとっては、社員が本当に好んで買ってくれるのが一番嬉しいことだと思うので、引き続き活用してこうと思っています」