梶さんは「KIJIMA TAKAYUKI」に入社して7年。もともとは生産で入社され、5年前からセールスに。TERMINALの導入を開始したのはセールスを担当していた約4年前とのこと。「会社宛に提案のご連絡をいただいたのが最初のきっかけでした。僕も電卓を叩くということが好きではないですし、少しずつ受注をデジタル化していくような流れも感じていたので、すごく興味がありました。」と当時を振り返る梶さん。その頃の展示会準備では、通常の準備に加えてブランドならではのこだわりも加わり、作業量はかなりのものだったと話します。「サンプルができてからラインシート用に撮影をして、エクセルでラインシートの作成をするような流れでした。また、商品のディテール見てもらうために、撮影した画像をCD-Rに保存してましたね。当日はお客様をお迎えしてからシーズンテーマなどの説明、配布したラインシートへのチェック、写真撮影、CD-Rをお渡し……。そんな感じで、全てのお客様の対応をしていくので、会期中は手一杯でしたね。」さらに展示会場のセッティングや、スタッフ向けの勉強会も行っていたため、展示会前後はかなり遅い時間まで作業をしていたそうです。そんな中、TERMINALのサービスについて知り、「展示会における業務効率化と、お客様への負担の軽減も実現できるのでは?」と、導入を前向きに考えるようになったとのこと。「卸先は120〜130社ほどとなりますが、基本的には私が担当をしていますので、どうしても各社とのコミュニケーションに多くの時間をかけられなくなってしまいますし、なによりお客様の負担を減らしたかった。事前準備さえしっかりおこなえば、受注対応の時間は大きく削減できるだろうと期待していました。」アナログからデジタルへ移行する不安TERMINALの導入にあたり、今まですべてアナログでやってきたことを急にデジタルに変更することに不安はなかったのでしょうか?「社内の先輩からはサービスをちゃんと使いこなせるのかという不安や心配の声もありましたが、「梶がやりたいって言うなら賛成する」と言ってもらえたのはとても心強かったです。また、TERMINALの営業の方が同じようにセールスを経験されてきたことだってのも安心材料の一つでした。いわゆるシステム屋さんって感じの方からの提案だと、困っていることなどもなかなか伝わらないだろうなって思ってしまうので。」導入してからの変化、お客様の反応「2017年の導入後初めての展示会から、ほぼ全てのバイヤーがTERMINALからオーダーをしてくれました。我々が便利になったのは明らかでしたが、実際にお客様がどうなのかは気になっていました。当時はまだオンラインでオーダーのできるサービス自体が少なかったので、デジタルが苦手な一部のお客様が困っていた印象はありましたが、そういった方々も問題なく利用いただけるようになりました。」そして導入後に改善されたのは、何よりも時間だったと語る梶さん。「展示会前、会期中、終了後、すべての時間が短縮できたお陰で、その分お客様とのコミュニケーションに費やす時間を増やすことができるようになりました。セールスをする上で大切なのは、”ブランドの本質を伝えること”だと思います。オーダー数量や受注金額は、ブランドのエモーショナルな部分を伝えて共感してもらえたうえでの結果として考えていますし、展示会はそれらを伝えるための大事な時間です。それがTERMINALを導入したことでの最も大きな成果だと思います。」コロナ禍における活用方法通常は年2回(2月、7月)に東京・パリの2拠点で展示会を行ってきた「KIJIMA TAKAYUKI」。今年は新型コロナウィルスの影響によってパリでの展示会は断念することとなり、オンラインのみでの開催を決意されました。東京では感染防止対策のうえ開催、地方のバイヤーさんなど来られない方のみオンラインで対応したとのこと。「東京で開催をした7月の展示会の来場は全体の6割ほどとなり、来場者数も減りましたが、オンラインからオーダーしていただくことができたので、売上を維持することができました。また、パリで実施したオンラインのみの展示会では、前年を超える結果を出すことができました。現地開催ができないということも考慮し、購入しやすいベーシックなラインを増やしたり、EC時代に売りやすい価格帯のアイテムを投入したり対策をして臨んだところ、それがヒットしました。今まで足を運んで実物を見ないと買えないと考えていたお客様たちが、コロナによってオンラインのみでオーダーする動きが見られました。」なんとオンラインのみの実施で前年を超える結果を記録したというパリでの展示会。一方、東京でも新たな試みに挑戦中とのこと。「リアルな展示会に来ていただく意味は、『ドキドキすること』だと思っています。実際に店舗で商品を購入されるお客様は買うときにドキドキや高揚感がありますが、私はそれをバイヤーさんたちにも感じてほしいと思っています。展示会は、どうしても数字ばかりになりがちなので、そこの部分はTERMINALで補って、リアルでは『体験』の部分を感じてほしいんです。7月の展示会ではそんな意味を込めたトライアルとして、直営店の下のアトリエを開放して実際に職人がつくっているシーンを見ていただいたり、素材に触れていただくなどのイベントを実施しました。こうした体験を通じて、アトリエの匂いやバックストーリーは記憶になって届くと思います。今後もオンラインとオフラインを使い分けながら、ドキドキする体験のできる新しい展示会の在り方を模索していきたいと考えています。」さまざまなチャレンジを続ける「KIJIMA TAKAYUKI」の今後の展示会にも期待が高まります。