「コロナでお客さんが展示会に来られない」。突然訪れたピンチを機にTERMINALを導入『SAYAKA DAVIS』や『Hirotaka』など、レディースアパレルやアクセサリーを取り扱うshowroom SESSION(以下文中 SESSION)、そして人気ブランド『REMI RELIEF』などメンズを中心に取り扱うUNITE NINE showroom(以下文中 UNITE NINE)という2つのセールスエージェントを運営している有限会社SESSION。渋谷に広いワンフロアのショールームを構え、SESSIONとしては現在約20ブランド、UNITE NINE では5ブランドを取り扱っています。2つのショールームが同時にTERMINALを導入したのは2020年7月のこと。そのきっかけは新型コロナウイルスの流行によって、これまでの通常の展示会ができなくなってしまったことでした。「TERMINALはもちろん以前から知っていて、担当の方から説明を受けたこともあったのですが、導入するに際して展示会前の業務が増えそうなことや、弊社は取り扱うブランド数も多いので、さまざまな理由で腰が重くならざるを得ず、導入を見送ってきました。でもコロナになって、7、8割のバイヤーさんが展示会にお越しいただけないという事態になり、急遽導入を決めました」(堀川さん)いくつか同種のサービスを検討する中で、決め手となったのは「TERMINALの普及率だった」と堀川さんは話します。特に卸先が約300アカウント以上ある同社において、導入方法などの説明をしなくても済むという点も大きかったそうです。「弊社の取引先でも既にTERMINALを使っているバイヤーさんは多かったので、ご案内も非常にスムーズでした。すぐに全体の9割以上のお客様にはTERMINALからでオーダーをしていただけるようになりました」(堀川さん)−手前がUNITE NINE事業部長の堀川修さんTERMINALの場合、ひとつの会社で単一、もしくは多くても3~4ブランドが使うケースが多いのですが、そのどれもが基本は自社ブランド。有限会社SESSIONのような自社ブランドではない複数のクライアントを抱えるセールスエージェントの場合、受発注方法の変更はバイヤーさんだけでなく、ブランド側にも説明を要します。「ブランドによっては“見え方”を気にするところも多いため、各ブランドにはTERMINALの画面などを見せてご説明し、それぞれ了解をいただいてから導入しました。コロナでバイヤーさんがお越しいただけないという事情もあり、結果として約25ブランド全てがTERMINALの導入を承認いただきました」(宇仁さん)TERMINAL導入以前と以後で変わったこと有限会社SESSIONがコロナ前に導入に踏み切らなかった理由に、社内独自デザインの受注シートや、経理と連動して納品書を発行できる既存システムなどの改修計画がありました。 「これまでも展示会用の紙のオーダーシートはあって、現在も紙は併用しているのですが、弊社にはデザイナーが社内にいて、バイヤーさんに伝わりやすい、単なる絵型以上のオーダーシートを独自に作っていました。バイヤーさんにも好評だったので、変える必要性に迫られていなかったのです」(堀川さん)−右側がSESSION事業部の営業管理を担当されている宇仁裕子さんしかしその一方で、オーダーの集計には「2、3日の時間を要していた」そうです。「集計は独自のエクセルシートで行うのですが、数字に間違えがないか社内で“読み合わせ”の業務があり、それでもいくつかの人為的ミスは起こっていました」(宇仁さん)しかしTERMINAL導入後は、集計がすぐに済むようになり、集計の人為的ミスも起こらなくなったとお二人からお話いただきました。 「もしミスがあったとすれば、それは我々ではなくバイヤーさん側の打ち間違えなので、集計は物理的にも気持ち的にも楽になりました。また、導入前から話を聞いて理解はしていたのですが、展示会中にもオーダーの状況を把握できるスピード感は導入後に実感しました」(堀川さん)コロナ禍における展示会対策と売り場の変貌複数のクライアントや取引先を持つ有限会社SESSION。パンデミックという非常事態を受けて、その対策にも終われる中、マーケット全体にこれまでとは違った状況も見えてきていると堀川さんは話します。「弊社で取り扱いをさせていただくブランドは、もともとレディースにおいてもメンズにおいても、そのブランド独自の背景や、“そのブランドでしかできないもの”があるところを中心にしています。そうした商品しか売れなくなっている傾向はコロナによってより強まっていて、目の肥えたバイヤーさんや、店頭のことを知っている方はそのことをよく分かっていらっしゃいます」また、コロナ渦においてもバイイングが落ちないショップには、ひとつの傾向があるそうです。「今回のコロナで都心のお店はかなり打撃を受けていますが、地方にはそこまで影響を受けていないお店もあります。中には昨年よりも数字を伸ばしているお店だってあります。そういうお店に共通するのは、『そのお店だから買う』、『その人(販売スタッフ)がいるからそこで買う』というような、人が魅力的な店舗です。ECなどもありますが、都心でもこれから再びそういう“人の存在”が大きくなって来ると感じています」(堀川さん)「TERMINALは展示会でどのような商品がバイヤーさんから評価されているかが分かりやすく、スピード感もあるので、そうした情報をブランド側にも素早く共有できるのがもうひとつのメリットだと感じています。TERMINALで得られたデータをもとにクライアントの売り上げに繋がるように、これからも活用していきたいと思います」(堀川さん)新型コロナウイルスによって変わりつつあるアパレルの展示会や、売り場の動向。TERMINALによって得られるデータが、ブランドやバイヤーの方の販売対策として活用いただけるように、引き続きサービスのアップデートをおこなっていきます。