「モノとしての背景があるものを届けたい」ヨーロッパを中心にした海外のファクトリーブランドの輸入卸の事業からスタートした株式会社ボーイズは今年で創業43年。現在はフランスの『DANTON(ダントン)』や『ORCIVAL(オーシバル)』、イギリスの鞄ブランドの『Brady(ブレディ)』、イギリスのスポーツウェアブランドの『Gymphlex(ジムフレックス)』など、複数の海外ブランドのライセンス製造卸を手がけています。セレクトショップ業態で人気の『Bshop(ビショップ)』のグループ会社となります。「もともと“ファッション”というよりも、モノとしての背景があるものを日本に届けたいという想いからスタートした会社です。長年輸入卸をメインにやってきたのですが、海外ブランドはなかなかビジネスの安定が難しいため、15年ほど前からはライセンスを締結して製造と卸までを手がける事業が増え、それに伴って会社の規模も大きくなりました」(髙橋さん)歴史の長い会社ゆえの悩みライフスタイル色が強く、メンズ・レディースの区分けの少ない株式会社ボーイズの手がける商品は全国的な人気を誇り、現在の取引先は150社ほどまでに。各ブランドの商品数も多く、「1シーズンの全ブランドのSKUで2,500〜3,000くらい」(髙橋さん)と膨大です。そうした中で同社では業務効率化とデータ管理が長年の課題になっていたそうです。「良くも悪くも歴史の長い会社なので、展示会の集計もずっと手作業でやってきました。集計後に工場へ発注をする際も、エクセルで『振り分け表』と社内で呼んでいた紙のシートを原本として各部署に回していたんです。営業スタッフから経理までが関わってそのシートを集計・回覧するのですが、集計には膨大な時間もかかり、ダブルチェック、トリプルチェックをしてもミスが発生していました。だから展示会が終わるのがいつも憂鬱で(笑)」基幹システムの構築とともにTERMINALを導入TERMINALの導入を決めたのは2019年の冬。会社全体の基幹システム構築をすることになり、コンサルティング会社とともに会社全体の業務フローのすべてを見直す中で、展示会受注の業務もデジタル化することに。「コンサルティング会社と検討した結果、展示会受注については自社独自のものよりも、専用サービスの方が優れていると判断し、複数のサービスから絞り込んでいきました。最終的にポイントになったのは基幹システムとの連携で、TERMINALからも会議に参加してもらう形で約1年をかけてシステム間の連携の調整をしながら進めていきました」株式会社ボーイズでは、TERMINALの連携パートナーであるGENというクラウドERPを利用しており、商品登録等の事前準備から受注データの登録までシームレスにおこなえるような連携を行っています。独自に製作したウェブ上ラインシートとの違い長い準備期間を経てTERMINALを正式に稼働させたのは2021年1月。しかしその間に新型コロナウイルスのパンデミックが発生し、展示会にバイヤーさんが来場いただけないという事態に直面します。「お客様が展示会に来場できないという状況は初めてだったので、かなり困りました。ただ、基幹システムとの連携によってデータ統合をしたかったので、中途半端な状態でTERMINALを稼働させるわけにもいかないと考え、そのシーズンは独自でウェブ上にラインシートを作成しました。ウェブ上で商品ラインナップを紹介するということについてはそれなりに良くできたのですが、結局受注はこれまでと同じ手作業だったので、これまでの業務上の課題自体は解決しませんでした」独自のウェブラインシートを駆使して2020年8月の展示会は乗り切り、2021年1月の展示会からは基幹システムとも連携し、9つのブランドアカウントでTERMINALの稼働をスタート。2021年4月より同一企業が複数ブランドの運用の利便性を向上するためにアカウントの切り替え機能を提供開始しました ※画面左「集計業務の効率化と人為的ミスが起こらない安心感、そして写真のアップロードの簡単さなど、機能的にも満足しています。展示会後の集計時間が1週間ほど短縮することができたので、これまで工場に“見込み発注”をしていたリスクも軽減することができました。現在では国内だけでなく、アジア圏、ヨーロッパ圏の海外卸先との受注業務もTERMINAL経由になっており、稼働率はほぼ100%です。ここ数年でTERMINALの利用がバイヤーさんに浸透していったおかげで、案内や利用もスムーズに行うことができました」事前フォローにより、最適なセールス対応TERMINALを導入し、展示会もこれまで通りに開催が始まったものの、新型コロナウイルスの影響もあり、実際の来場者は以前の40%程度まで落ち込んでしまっていると髙橋さんは話します。「やはり我々としては実際に展示会で商品を見ていただきたいという想いはあるのですが、状況的に難しいことも理解しています。そうした中で、受注が安定しているのはTERMINAL導入の成果だと感じています」株式会社ボーイズでは、TERMINALの運用におけるユニークな活用方法をお聞きしました。展示会開催1週間以上前にTERMINALで商品を公開し、来場前に商品をチェックしていただけるようにしたことです。「毎シーズンオーダー数の多いお客様には、発注予定の『下書き』作成したデータを事前に共有いただいています。その内容を元に追加の商品の提案や奥行きの調整のやりとりをします。結果的にお客様側の消化率の向上にも繋がりますし、弊社としても質の高いお取引ができるようになります。まだ使えていないTERMINALの機能もたくさんあるので、どんどん活用していきたいですね」TERMINALでは基幹システムの新規構築、リプレイスなどにおける初期、検討段階からも協議に参加させていただき導入が成功した事例も多くございます。ぜひお気軽にご相談ください。