長年の懸案だった“紙ベースの展示会” 創業1922年という、90年以上の長い歴史を持つ株式会社栗原は、オリジナルブランドの『OVERRIDE』や『arth(アース)』をはじめ、『KANGOL(カンゴール)』、『adidas(アディダス)』、『FILA(フィラ)』など、海外ライセンスブランドを含めた多数の帽子ブランドのデザイン・製造・販売を手がけている帽子専門会社として知られています。現在同社が管理・展開しているのは22ブランド。数年前までは大きなホールを数日間貸し切り、大規模な展示会を開催していましたが、会場費や設営コスト、そして400社を超える来場バイヤーへのきめ細やかなケアが出来ないこともあり、東京・大阪本社における長期型の展示会へとシフトチェンジしていました。しかし新型コロナウイルスの流行によって、展示会に来場出来ないバイヤーの方々への対策として、2020年夏にTERMINALの導入へと踏み切りました。「展示会の方法は都度見直して来ましたが、紙ベースの展示会にはもともと違和感がありました。『変えなければ』と思っていた矢先のコロナ渦だったので、急遽その動きを加速させて、検討を開始しました」(二瓶さん)決め手はレスポンスの早さと日本仕様の安心感検討したのはTERMINALを含めて同様のサービスを展開する数社。決め手になったのは営業担当のレスポンスのスピード感にあったと二瓶さんは話します。「やはり当社初のウェブカタログとオンライン化だったので、いくつか不安がありました。最終比較検討にあたり、TERMINALさんは『こういうときはどうするの?』といった応用編的な疑問にもパッと答えてくれた。日本仕様のスピード感と安心感が決め手でした」(二瓶さん)「実際に導入が決まり、取引先やバイヤーに案内をすると、コロナ渦の展示会対策として受け取っていただいて、『早いですね、さすがですね』というお声をいただきました。TERMINALを導入したことがある意味で宣伝要素になった部分もあります」(秋山さん)また導入に際しては、これまで同社が使用してきたラインシートのフォーマットに近いものにカスタマイズするTERMINALのサービスの一つ、「カスタムラインシート」も活用いただき、内部はもちろん、取引先バイヤーの方々にも既存フォーマットから違和感のない形でオーダーいただけるような体勢を整えての導入となりました。複数ブランド、そして多岐に及ぶ取引先株式会社栗原では、年に6回の展示会を開催されています。現在22ブランドを擁する同社では、インポートブランドの展示会、スポーツブランド中心の展示会、そしてメディアやインフルエンサー向けの内覧会という3種の展示会をシーズンに分けて開催しており、卸先はGMSやスポーツショップなどの大きな取引先から地方の個店まで様々あり、個人オーダーまで含めるとその数は相当数に上ります。それぞれTERMINAL導入はスムーズに行われたのかをお聞きしました。「BtoCにあたるインフルエンサーさんや個人の方はデジタルネイティブの方が多いので、特に説明をしなくてもQRコードを読み取ってカートに入れていただきました。バイヤーさんの方はそれぞれ状況が異なるのですが、現在のところ7割くらいまでが対応いただいています」(二瓶さん)「卸先のバイヤーさんは当初の予想以上に活用していただいていますが、大きな取引先様はTERMINALをデジタルカタログ的に使っていただいており、実際のオーダーは別の形で入っている現状です。今後そこが対応いただけるようになると、かなり集計も楽になると考えています」(秋山さん)ECを推進する取引先にもメリットを提供導入前は不安要素もあったデジタル化でしたが、導入したことによって様々なメリットを感じた部分もあったと秋山さんは話します。「これまでの展示会では、営業担当がバイヤーさんに口頭で説明するのがメインでしたが、TERMINALには商品情報だけでなく、デザイナーからの商品説明を動画にしたものや、店舗のスタッフが実際に着用して商品特性を伝える動画を加えることによって、主力商品を多角的に伝えることができるようになりました」(秋山さん)また、TERMINAL導入によるデジタル化によってバイヤー側にもメリットがあった例があるそうです。「コロナ禍もあって、取引先もECをこれまで以上に推進しているところが多いのですが、TERMINALには画像もその説明も全て載せているので、卸先さんもそれをダウンロードやコピペをすることで『早めにECの準備ができるのがありがたい』という声も頂いています」(二瓶さん)導入から約1年。社内外のオーダーシステムのデジタル化が進む中で、同社がTERMINALにおいて直近で検討しているのは、在庫連携の機能とお話しいただきました。「受注まではほぼパーフェクトに近いサービスになっているので、今後は在庫との連携を検討しています。また、グローバルのバイヤーへのアプローチもTERMINALを通じてやっていきたいと考えています」(二瓶さん)TERMINALではご利用のお客様の意見を受けて、サービスやシステムのアップデートにも日々取り組んでおります。株式会社栗原様が検討頂いている在庫連携システムは、「承認制」と「バイヤーオーダー連動」を選んでいただくことができるようになったほか、海外バイヤーのユーザビリティ向上も課題として取り組んでおります。