悩ましかったヒューマンエラーセールスエージェントの中でも注目の存在となっているELIGHT Inc.の創業は2014年。当初は1つのブランドの取り扱いからスタートした同社は、現在では国内外17ブランドものセールスを手掛ける会社へと成長を遂げ、今後また数ブランドの取り扱いが増える予定になっているそうです。代表的なブランドとしてはNICENESS 、NICHOLAS DALEY 、STORY MFG.、ULTERIORなどがあり、その多くがファッション通に刺さるような手の込んだデザインや素材使いで知られています。「取り扱いブランドに基準は特に設けていないのですが、デザイナーの方とお会いしてお互いのフィーリングが合うかどうか、共感できるかどうか、そして結果的に人とのつながりでお仕事になることが多いですね。取り扱っているブランドで働いていた人が独立されたり、そのデザイナーの知り合いのブランドを紹介されたりすることもあります」TERMINALの導入は2019年、2020SSシーズンの展示会から。それまでは同社が作ったエクセルのフォーマットをメールで送付し、バイヤーがそのオーダーシートに数量を入力して返送してきたものを、社内の管理用エクセルに入力する手作業中心の方式だったそうです。 「他のブランドでも同じような課題があると思うのですが、弊社でも単純なヒューマンエラーが多発していました。当時は2名で多数のブランドを担当していたことで起きたミスでもあると思いますが、エクセルの列を間違えてしまって、本来オーダーのないものが多く生産され、作るべきものが減産されてしまうというような事態もありました」しかしTERMINAL導入後はそのようなエラーからはすべて解放され、納品書の作成までがスムーズに行われるようになったと今枝さんは話します。TERMINALから得られたデータを“その先”に活用セールスエージェントは、単純にブランドの営業代行をするだけでなく、その情報収集力やバイヤー側とのコミュニケーションを元に、時にはブランド側へのアドバイスも行います。その際にTERMINALから得られるデータも大きく役に立っているそうです。「例えばどのカテゴリーでどの品番のオーダーが多いか、少ないかが明確にデータで取り出せます。エクセルの場合だとそれが数字だけになってしまうのですが、TERMINALはより分かりやすくクライアントにも共有できるので、『今後はこうやっていこう』、という話もしやすくなりましたね」今枝さんが注目しているのは、バイヤーTERMINALのオーダー画面で「お気に入り」をした商品をメーカー側も把握できる機能。「予算の兼ね合いなどで結果的にオーダーには至らなかったとしても、バイヤーさんが『お気に入り』にマークしたものは、商品として何かポテンシャルがあるものとも考えられるので参考になります。これは我々のようなセールスエージェント的にありがたい機能ですね」また、2020年の新型コロナウイルスのパンデミックの際にも、TERMINALの存在が心強かったと今枝さんは振り返ります。「コロナに入ってからは、展示会にお越しいただけるバイヤーさんが激減しました。その前にTERMINALを導入していて、周知ができていた状態だったので、実際に数字を落としたブランドはなく、前のシーズンと同等、もしくは数字が伸びたところもあったほどでした。もし当時TERMINALがなかったら、どうしたらいいか分からなかったと思います」展示会ページの公開設定によって、新規取引先の獲得もTERMINALを使っていく上で、今枝さんが一番メリットを感じているのは、そのスピード感にあるそうです。 「例えば展示会のページを公開するとすぐにバイヤーさんにも連絡が入るのですが、こちらの画面では、いま何人のバイヤーが見てくれているのかも分かるんです。そういう反応が分かるのは安心材料にもなりますし、事前にチェックいただいているので、展示会は“答え合わせ”のようなものになるんです」複数のブランドを取り扱うELIGHT Inc.の場合、それぞれのブランドの展示会ページを、特定のバイヤーのみに向けて公開する「限定公開」に設定して使い分けることが多いそうです。「この機能は相当便利です。時にはそのブランドの取り扱いのなかった卸先からも、『我々もこのブランドのオーダーは可能ですか?』という問い合わせをいただくこともあり、営業をしなくてもセールスに結びつくこともあります。これもTERMINALならではの恩恵ですよね」現状ELIGHT Inc.および今枝さん的に「TERMINALには非常に満足」していただいているそうですが、それはバイヤー側の声からも感じることができると話します。「バイヤーさんからは、『TERMINALの画面は見やすい』という声をよく聞きます。逆に別のサービスのことを『見にくい』と言っているのも耳にします(笑)。我々的には選んでラッキーだったなと思いますし、TERMINALの導入はうちだけじゃなく、クライアントやバイヤーさんにとってもメリットは大きいんだと感じますね」TERMINALでは、売る側、買う側、どちらにとっても使いやすいシステムになるよう、アップデートやサポートを続けてまいります。