国内マーケットに最適化した独自の展開1911年にイタリアで創業した『FILA』は、1970年代にテニス界のスーパースター、ビヨン・ボルグが着用して活躍したことで世界的な知名度を獲得しました。当時、テニスがファッションやライフスタイルブランドの一部として日本でも浸透し、『FILA』は多くの人々の憧れのブランドとなりました。その後、テニスに留まらず他のスポーツにも進出し、グローバルで人気のスポーツ&ファッションアパレルブランドとしての地位を確立。現在もその地位を維持し続けています。日本での『FILA』は伊藤忠商事が2006年からマスターライセンシーとして展開しています。そのシューズとアパレルのサブライセンシーとして企画・製造・販売を担うのが、2024年2月に発足した伊藤忠商事100%子会社であるIFJ株式会社で、2025年1月から販売をスタートしています。同社の社員には、前職で『FILA』に携わっていた方が多く在籍しています。2007年に韓国の「フィラコリア(現ミストコリア)」がブランドを買収して以降、『FILA』は韓国企業傘下のブランドとなっています。しかし日本では国内マーケットに合わせた展開を行っており、その企画・製造・販売を担うのがIFJ株式会社です。「韓国で企画した製品も一部扱っていますが、アパレルの約9割は日本で企画しています。これまで国内のライセンスで培った実績があるため、この形が継続しています。承認プロセスは少し複雑で、韓国本国とともに、ルクセンブルクに商標権を管理する商標管理会社があり、最終決定はそこで行われます。これは韓国や各国がローカルに偏ったブランドになることを防ぐための仕組みです」(MD部 足立さん)海外サービスと比較して見えたコストメリットと利便性MD部 部長の足立さんとEC課 課長の坂出さんは、前職でも『FILA』に携わっていた経験があり、前職での知見を現職に活かす場面が多くあるそうです。TERMINALの導入もそのひとつで、坂出さんが主導しました。「以前の会社では海外の展示会オーダーシステムを使っていましたが、ページの作りや言語の問題もあり、バイヤーさん自身ではオーダーを入れにくいシステムでした。結果的に商品情報のアップロードだけでなく、集計も自分たちで行っていました。営業担当者がバイヤーからもらったオーダーをシステムに入れて集計するのですが、手間がかかる上にミスも発生し、改善したいと考えていました。IFJ発足後の最初の展示会では引き続き海外のシステムを使いましたが、改善が見られないと判断し、国内市場に浸透しているTERMINALを選びました」(EC部 坂出さん)「その判断にはコスト面も大きく影響しました。契約料金を比較すると大きな差があったのですが、以前使っていた海外のシステムは年間契約料を"ドル"で支払うため、円安が進むと日本円換算のコストも跳ね上がってしまうんです」(足立さん)TERMINALの導入は、IFJ株式会社になって2回目の展示会から。実際に使ってみて、さまざまな違いを感じたと坂出さんは話します。「バイヤーさんが自分でオーダーしやすいというのが、最大のメリットです。大手スポーツ量販店の場合は、先方の承認プロセスの都合で別の発注書をいただき、こちらで入力しているため、100%TERMINAL経由ではありません。ただ、アパレルのセレクトショップには着実に普及が進んでいる印象です。想定以上に便利だったのは、TERMINALの『クイックレポート』です。以前のシステムにも同様の機能はありましたが、見やすさやデータの可視化という点で明らかに違いを感じます」(坂出さん)社内全体での情報共有と利用促進への期待TERMINALのシステムに商品情報を入力しているのは、MD課の下東さんです。情報入力を担当していることもあり、社内の各部署から商品情報のリクエストを受ける機会が多いそうです。「以前は絵型一覧を依頼されると、複数のエクセルを作って提出していました。現在はTERMINALに情報が集約されているので、取り出しやすくなりました。TERMINALのオーダーシートをそのまま出すだけで済むため、その作業も迅速に対応できます」(MD課 下東さん)「現在29名の社員の中で、TERMINALを使っているのはまだ少数ですが、情報は自分で取り出せるので、本当はもっと多くの人にログインしてほしいと思っているんですよね(笑)。TERMINALの『アポイント機能』を使えば、社内イベントの出欠管理なども可能なので」(坂出さん)TERMINALの運用開始により業務が効率化したIFJ株式会社ですが、運用面での課題もいくつか残されていると足立さんは話します。「たとえば韓国の海外品番やサイズ展開は日本と異なるため、そうした点を一元化できるのが理想です。とはいえ、まだ使いきれていない機能もありそうなので、使いこなしながら活用していきたいと思います」(足立さん)現在IFJ株式会社が展示会に向けて企画している『FILA』の商品は、アパレルとシューズ合わせてワンシーズンに450 SKUほど。それ以外に大手スポーツ量販店向けの別注商品も多数あるため、相当数の商品を管理する必要があります。「こうしたシステムが登場する前は紙で管理し、ファックスで受注を取っていました。今考えると信じられないですね。ただ、当時と比べて商品数は大幅に増えているのも事実です。今後はこうしたシステムなしでは管理できないと思いますし、逆に言えば、これがあるからこそ商品を増やしていけるとも言えます」(坂出さん)TERMINALでは、各社の使用環境に応じて使用方法のアドバイスやカスタマイズを行なっています。また、各社からのご意見を集約し、リクエストの多い項目のアップデートを検討しています。契約中もぜひ「こんなことはできるのか」などのお問い合わせをお寄せください。