“ベビーから大人まで”がターゲット株式会社フィスの2023春夏の展示会が、同社創業以来のメインブランドであるFITHを含む、4ブランドの同時開催にて東京・大阪で開催されました。「メインの展示会は本社のある大阪で開催しており、東京展示会に持って来られるのは各品番1色程度なので、本当はこの何倍も数が多いんです」と語るのは、今回のインタビューに応えていただいた楳崎亮さん。株式会社フィスの手がける子供服は、大人向けブランドに肩を並べるほどの凝ったデザインや加工、そして素材にもこだわったものが多く、 親子コーディネートを楽しめる大人サイズも充実。会社として「ベビーから大人まで」という幅広いターゲットに届けているのもユニークな特徴です。「子供服は10センチ刻みでサイズ展開ですので、そこにビジネスのリスクがあるとも言えますが、弊社の子供服はかなり品質にこだわっているため、ひとつの商品を3人のお子さんに着回ししていただけるくらいの耐久性があります。また40年の歴史の中で、3世代にわたって当社の製品を愛用してくださっているような顧客様もいらっしゃるので、その循環に成功しているのかもしれません」子供服マーケットの特殊な事情株式会社フィスは、長年来場型の展示会に強くこだわっていたと楳崎さんは話します。「近年、弊社のコピー商品も数多く出回るようになっていたこともあり、その対策で会場での写真撮影も禁止にし、100%展示会場での発注をお願いしていました。バイヤーの方はその現場で商品をご覧になって、オーダーをしていただく方式です」一度の展示会で並ぶのは、4ブランド合わせると約900サンプルにものぼり、取引先も国内外合わせて200店舗ほど。毎回その集計はかなり大変な作業だったそうです。「1週間、会社のワンフロア全員が集計作業に追われているような感じで、自分もその時期は連日終電になるほどでした。長年そうやってきたので、それが当たり前のようになっていましたね。集計の人為的なミスもありました」コロナをきっかけにデジタル化に舵をしかし新型コロナウイルスのパンデミックによって、株式会社フィスの展示会は創業以来のピンチを迎えます。 「リアルな展示会にこだわっていたので、ワンシーズン展示会を見送らざるを得ませんでした。そのシーズンはエクセルのオーダーシートに商品画像を配置して送っていたのですが、ダウンロードも大変で、取引先にも使いにくいものに。そこでシステムを変えなければならないと感じて、以前から取引先も使っていると聞いていたTERMINALに問い合わせをしました」しかし、TERMINALの導入には、いくつかの障壁があったそうです。「コピー対策として展示会中も撮影を禁止していたくらいなので、TERMINAL上に画像を掲載することには、社内でも反対の声がありましたが、これはデジタル展示会には必須項目。もうひとつは、取引先の中にはデジタル化に抵抗感をもたれる方もいらっしゃるので、そういう方にも使いやすいシステムになっているかどうか。ここは重点的に確認させていただきました」導入による社内ワークフローの変化懸念していた2つの問題もクリアし、いざTERMINALを導入したところ、社内に大きな変化がいくつもあったと楳崎さんは話します。「長年アナログにやってきて予備知識がなかった分、デジタル化にこんなにメリットがあるのかと思うことが多々ありました。あれだけ時間をかけていた集計業務は大幅に短縮し、集計のミスもなくなりました。それまでは展示会用にオーダーシートを印刷する枚数も相当あったので、その印刷コストも郵送コストもゼロになったことも大きいです」またTERMINALの導入によって、社内の業務フローも大きく変わったそうです。「それまで展示会に関連する業務は、それぞれの部署がバラバラにやっていたのですが、TERMINALというひとつのプラットフォームを活用するために、複数の部署が協力する機会が増えたと思います。管理部門からは『そんなにみんながTERMINALを使う必要あるの?』と言われましたが(笑)、社内でも基幹システム的な位置付けになっていますね」浸透率99%、売上にも影響が「TERMINAL導入3年で、取引先への普及率は現在99%まで増えました。当初は使い方の問い合わせなどもありましたが、そこは御社側でも対応いただけますし、回を追うごとに問題がなくなっています。これまで計算機片手に集計されていたバイヤーさんからも、集計データをすぐに確認できるので、金額と合わせて吟味しながらお店に合ったものを選べるようになり、『以前よりもオーダーしやすい』という声をいただきます」また、TERMINALの導入によって、売上金額にも影響が感じられると楳崎さんは分析します。「実際のところ、コロナになってからは世間の状況もあるので、大幅な売上の減を想定していました。しかしすべてがTERMINALのおかげとは言えないですが、売上全体も据え置きにとどまっている状況で、卸販売に関しては、ありがたいことに前年を超えている状態です」リアルな展示会の活性化にも向けて現在ではTERMINALの画面に子供の着用動画も取り入れて、バイヤーの方からも好評いただくなど、どんどんデジタル化に順応している株式会社フィス。楳崎さんは今後さらなる可能性を感じているそうです。「着用動画のことなど、デジタル化によってやることが増えた側面もあるのですが(笑)、一方でこれまでやれてこなかったことがクリアになってきました。現在中国をはじめとする海外の売上も増えているので、TERMINALを使ってさらに増やしていきたいです。ただ、やはりリアルな展示会は変わらず重要なので、『展示会に行かなくても大丈夫』と考え始めたお客さまを、どうやってまたお越しいただけるようにするか考えて、展示会をさらに盛り上げたいですね」TERMINALでは、アナログなシステムからデジタル化に成功したお客さまの事例をもとに、それぞれのブランドや会社の事情に応じた解決に向けてのご相談にも対応しております。ぜひお気軽にお問い合わせください。