日本のファッション文化から生まれたフットウェアブランド足下工業株式会社が手がける『FOOT INDUSTRY』は、フットウェアブランドとして近年注目の存在で、国内セレクトショップなどでも多く見かけるようになりました。日本の裏原宿ファッションカルチャーに強い影響を受けた中国人デザイナーのZhao Ming(チョウ・メイ)さんが、日本に留学中の2014年に立ち上げたブランドで、今年で設立10周年を迎えています。現在もチョウさんがシューズデザインを手掛け、足下工業株式会社の代表も務めています。「立ち上げたチョウは本当に日本のファッションが好きで来日し、そこで学んだものをベースにシューズブランドを立ち上げました。シューズのデザインは、緻密で設計的な要素もあるのですが、それがチョウの性格にも合っているのだと思います。チョウは今も日本と中国を行き来して活動しています」立川さんはセレクトショップバイヤー、アパレルメーカーの営業やマーケティングを経て2022年に同社に合流。東京で立ち上げたブランドながら、現在日本のスタッフは立川さんのみで、大半のスタッフは中国が拠点。立川さんは日本におけるセールス、マーケティング、ECサイト運営なども任されています。「成長のベースには、デザイン、クオリティ、そして価格帯などの要因もありますが、数年前に中国で大きく売上を伸ばしたきっかけになったのは、日本発ながら、中国人デザイナーが手掛け、素材の原産地や製造場所も中国である点です。特に『adidas Originals』とのグローバルコラボレーションが話題となって、卸先も拡大していきました」卸先からの信頼にもつながったTERMINALの導入『FOOT INDUSTRY』におけるTERMINAL導入は、立川さんが合流してから。立川さんはセレクトショップのバイヤー時代からTERMINALを使用しており、その利便性から、『FOOT INDUSTRY』の業務にも必要性を感じて踏み切ったそうです。「僕が入った時はまだ日本の卸先は5社程度で、TERMINALを導入するほどの規模感ではありませんでした。ただ、僕はバイヤーとしてもメーカーとしてもオーダーの業務をしていたから痛感しているのですが、エクセルでやりとりするようなアナログな方法では、必ずヒューマンエラーは起こりますし、そこで不本意な損失も生まれます。『まだ卸先は少なくても、ミスが起きて損失が生まれるくらいなら、そのコストは決して高くない』と本社を説得しました」ブランドの認知度や人気も向上、立川さんの営業努力も実り、卸先は一気に15社まで拡大。2025年SSシーズンは、未取引のバイヤーから問い合わせも増え、新規取引の拡大にもつながったそうです。「これだけ取引先も増えたので、TERMINALを僕が入ってすぐに導入しておいて本当に良かったと思います。そしてこれは個人的な感覚なのですが、TERMINALを使っていると取引先からの信用度も上がる気がしています。海外ブランドの場合は、独自のオーダーシステムを採用しているケースも多く、日本のバイヤーから使いづらいという話もよく聞きますが、TERMINALならバイヤーさんの大半が利用したことあるので、『日本のシステムを使っているちゃんとしたブランド』と安心していただけるように感じています」蓄積したデータを活用して商品開発にも反映立川さんはTERMINALを展示会オーダーだけでなく、さまざまな場面で活用していると話します。「オーダーした / していないの「言った言わない問題」が発生しない安心感もありますが、TERMINALで一番助かるのは受注データをすぐに可視化できることです。中国には約20名のスタッフがいるのですが、その半数はマーケターで、“ファッションの感覚的な話”は通用しません。『これが売れそう、売れている』という感覚値ではなく、エビデンスのあるデータを提示する必要があるのです」その際に立川さんが活用しているのが、取引先、商品、時期ごとに表示される売上データ。『FOOT INDUSTRY』全体のシェアではウィメンズが6割程度となりますが、日本では約8割がメンズなので、ターゲット層も異なることもあり、日本独自の商品展開をしているそうです。「中国と日本ではユーザー男女比も違いますし、売上の差も大きいです。その中で日本のマーケットにおいて、どのようなものが求められる傾向にあるかを説明するには、TERMINALのデータはとてもわかりやすいのです。もちろんデザイナーのチョウに説明する際にも頻繁に活用しています」また立川さんは、TERMINALを今後も使い続ける理由として、「データの蓄積」に期待していると話します。「大きな会社であれば、データを独自に管理していたりすると思いますが、ウチの規模ではまだそのような体制は作れません。ただ、僕も何年もこの業界で仕事をしていて、『あの頃はどんなものを作って、過去どんなものが売れていたか』を確認する頻度が多いことも知っています。まだ導入から2年ほどですが、使い続けることでさらにTERMINALに蓄積したデータの価値は高まっていくと思います。」TERMINALでは、展示会受注だけでなく、さまざまなシーンでユーザーの皆様に活用いただけるよう、アップデートを続けていきます。ぜひお気軽にお問い合わせください。