世界的メリヤスファクトリーの新たな挑戦カネマサ莫大小株式会社(以下 : カネマサ)という社名を難なく読める人は少ないかもしれませんが、ファッションの生産の現場おいて同社の名は世界に響き渡っています。「莫大小」と書いて「メリヤス」。メリヤスとは綿糸・毛糸などをループ状の編み目でより伸縮するように編んだ生地のことで、日本語の当て字が“莫大小”。カネマサはメリヤスの産業が日本一盛んな和歌山県で1964年に創業した、間もなく60周年を迎える会社です。カネマサは長い歴史を持ちながらも常に革新性を追い続ける企業風土を持ち、先端の工場機械を導入して独自の技術を推進。そのクオリティに対する信頼も厚く、国内のハイブランドやこだわりの強いドメスティックブランド、海外メゾンからの受注が多いことでも知られています。カネマサが新規事業として、ファクトリーブランドの『KANEMASA PHIL.』のプロジェクトをスタートしたのは2020年(ローンチは2021年)。その新規事業の担当として入社したのが佐野新季さんです。「カネマサは社員の平均年齢も28歳と若く、常に新しいもの、面白いものを作ろうという企業理念がある会社です。自社工場はメリヤスの高い技術を持っていて、ハイブランドやメゾンブランドからも受注はあるのですが、コロナ禍で受注も落ち込んだことを機に、社長が自分たちから発信するファクトリーブランドを作ろうということで始まりました。僕は営業から生産まで、このブランドの全般を担当しています」(佐野さん)『KANEMASA PHIL.』は現在のところ佐野さんと、管理をしている和歌山本社の担当の2名体制。そこに外部契約ディレクターとして、ブランドディレクションを任されたのが馬場賢吾さんです。「カネマサは大手アパレルとも多くの取引があり、ハイブランドでも通用するような技術を持っている会社です。ただいつもその技術を最大限に発揮できるものを受注するわけではないので、自社ブランドとしてハイクオリティな技術も発信しようということが始まりです。」(馬場さん)IT導入補助金を活用してTERMINALを導入当初は実験的にTシャツとスウェットのトータル5、6型でスタートしたという『KANEMASA PHIL.』。オンラインや地方のポップアップなどで展開していたところ、すぐに卸先も10軒ほどまでに拡大し、昨年9月の2023SSシーズンから一挙にアイテム数を増やし、同ブランド初となる展示会も開催することになったそうです。「実はその一つ前のシーズンには展示会というか、卸先の方を招いた受注会のようなものはやったんです。でも展示会もやったことがないので、エクセルでのオーダーシートの作り方も分からず、僕が手書きで控えて集計をしました。すごく沢山ミスもあって、『これはちょっと続けられないな……』と思ったタイミングで、TERMINALさんにご相談しました」(佐野)小規模からスタートしたファクトリーブランドの展示会ゆえ、コストは極力抑えたかったという佐野さん。そんな中、TERMINALが「IT導入補助金」の支援事業者であることを聞き、さっそく社長にも打診したそうです。「TERMINALの利用料金のうち50万円を補助してもらえるということでしたので、初年度はほとんどコストをかけずにTERMINALを導入出来たのですが、驚いたのは8月のお盆前に契約し、2週間後の9月の展示会には受注できる状態まで作れたことです」(佐野さん)海外も視野に展開を拡大個人的に他社の展示会でTERMINALを使用したこともあったという佐野さんですが、初となる展示会でTERMINALを利用して実際に感じたメリットを話していただきました。「まずはミスが減ったこと、そしてこちらでオーダーを記入するのではなく、卸先の方でオーダーを入力いただくので、責任の所在が発注側になり、確認作業という時間がなくなったのは大きかったです。また、『KANEMASA PHIL.』は素材がウリのブランドなのですが、なかなか展示会だけでは説明ができない部分をTERMINALの商品情報の欄に詳しく記載することができたので、それがオーダー数にも反映されている感触があります」(佐野さん)『KANEMASA PHIL.』の展示会では個人オーダーもTERMINALで受注し、業界のファッションに詳しい方からも高い評価を得たそうです。「個人オーダーもかなり良かったのですが、TERMINALにして良かったと思うのは、『展示会に行きたいけど行けない』という方も、TERMINALからオーダーしていただけたことです。エクセルのオーダーシートを送っても誰も見てくれないと思いますので」(馬場さん)「工場として付き合いの多い社長も取引先にTERMINALのリンクを送ってくれて、実際に社長と繋がりのある方からのオーダーも多くありました。社長は70歳手前なのですが、実際にTERMINALのオーダー画面を見て『これなら俺でも分かるやん』と喜んでいましたね(笑)」(佐野さん)現在で取引先は35社まで拡大。国内だけでなく、その視野は海外まで広がっているそうです。「今年の1月と6月にパリの合同展示会にも出展して、6月の展示会では海外からのオーダーも入り、かなり良い感触を掴んだところです。海外からのオーダーでもTERMINALを活用していきたいですね」(馬場さん)「事前に “人材を採用をするよりも断然安い”と聞いていたのですが、本当にそれを実感しています。しばらくはこの2名が中心になってブランド事業を続けていくと思うのですが、この人数でも受注の拡大ができるのはTERMINALのおかげだなと感じています」(佐野さん)TERMINALが2022年から「IT導入補助金」支援事業者なって依頼、多くの企業にご利用をいただいております。ぜひお気軽にお問い合わせください。