モデルのセカンドキャリア支援で気付いた「農」の魅力現役モデルとしても活躍中の岡田章吾さんは、2018年に長年共にしてきたマネージャーとモデルエージェンシー、VELBED.を立ち上げました。VELBED.には現在、約30名のモデルが所属しています。岡田さんは「モデルとマネージャーが二人三脚できるエージェント」であることに重きを置いており、特にモデルのセカンドキャリアを共に思案することを大事にしてきたようです。「モデルという仕事はどうしても若いうちが中心になります。ですから、モデルの仕事がなくなった時のために、別の仕事を持っていると精神的にも安定します。弊社にも写真や映像の仕事をしている子、洋服を作っている子などがいますが、そういった子たちに事務所としても投資を行い、いざという時にスムーズに移行できるように支援しています。」岡田さんがアパレルブランドの『KEIMEN』を始めたきっかけは、そんな支援の一環の中で出会った畑でした。「実家が八百屋を営むモデルの子がいまして、将来は家業を継ぐという話だったので、一緒に農業をしようと横浜に小さな畑を借りました。その子が畑を離れた後は、私が管理することになったのですが、実際に自分でやってみると、全くうまくいきませんでした。その悔しさから農業の学校に通い始め、学ぶうちに、私自身が農業に魅了されてしまったんです。」その後、山梨県の道志村に畑を移し、借りた畑は1.5反と充分な広さがあるため、現在もさまざまな季節の野菜を栽培し、地元の組合を通して野菜を卸しているそうです。しかし、岡田さんは「農業一本で生活していくのは、まだまだ難しい」と話します。「私は都心で仕事もしており、畑に行けるのは週に1、2回です。それだけで生計を立てることは難しいのが現状です。しかし、都会と田舎を行き来する生活は私にとって楽しいので、“大きな家庭菜園”のような感覚で続けています。弊社の事務所でも農業に興味を持つ若い子は多いのですが、誰も具体的な方法を知りません。ですから、私は本格的な農業と、これから農業を始めたい人たちの橋渡し役になれればと思い、畑を続けています。」農業をするライフスタイルの中で生まれたブランドKEIMEN岡田さんは、都会で仕事をしつつ郊外で農業にも携わるという生活を送る中で、「都会と田舎のどちらのシーンにも合う洋服が欲しい」と考えるようになりました。そして、畑仕事を通してそのアイデアを練り上げ、2021年に自身のブランドを本格的にスタートさせました。ブランド名のKEIMENは、ドイツ語で「発芽」を意味します「KEIMEN」の製品は、農作業での実用性と街着としてのデザイン性を兼ね備えています。岡田さんは、サンプル段階のすべての製品を自ら畑で試し、そこで得られた改善点を修正して展示会に出品し、製品化しています。「KEIMEN」は、そのコンセプトとファッション性、そして機能性を兼ね備えた品質の高さが評価され、卸先を拡大しています。現在では、約15〜20のセレクトショップなどに商品を卸し、ECサイトでも販売しています。ただし、岡田さんはアパレルを最終的な目標とは考えておらず、あくまでもプロジェクトの一環として捉えているそうです。KEIMENでは、「農」をカルチャーとして捉え、自ら取材した冊子を発行するなど、多角的な視点から「農」にアプローチしています。そのため、展示会の開催も年に一度にしているそうです。「2023年までは年に2回展示会を開催していたのですが、農作業や他の仕事もあり、すべての製品を実際に畑でテストしてから展示会に出すため、年に2回ではどうしてもスケジュール的に厳しかったんです。これでは、本来の目的と手段が逆になってしまうと考え、比較的仕事が落ち着く冬の時期に、年に1回だけ展示会を開催することにしました。」一人のプロジェクトにTERMINALを選んだ理由岡田さんがTERMINALを導入したのは、展示会を年に1回にした2024年からです。それ以前は、注文票の作成から集計までを手作業で行っていましたが、その作業量に限界を感じていたそうです。 「このプロジェクトは会社として行っていますが、ほとんどの業務を私一人で行っているため、注文票の準備や展示会後の集計作業が非常に大変で、本当に疲弊していました。そんな時、別のブランドの展示会でTERMINALに出会いました。ECサイトで買い物をするような感覚で注文できることに感動し、思わず『これは何ですか?』と尋ねてしまいました。操作も簡単で、『KEIMENのやり方にも合っていると思うよ』と教えていただいたので、紹介してもらい導入することにしました。」「KEIMEN」の卸先は、アパレルのセレクトショップのみならず、植物店やアウトドアショップなど多岐にわたり、個人からの注文もかなり多いです。そのため、管理作業は膨大な量になりますが、岡田さんはTERMINALを導入したことで「本当に楽になった」と話しています。しかし、年に一度の展示会のためにTERMINALを契約することは、コスト的に見合うのでしょうか。「確かに月々の利用料金は発生しますが、もし同様の業務を人に任せるとなると、かなりの人件費がかかります。そう考えると、TERMINALは非常にありがたい存在です。このプロジェクトは、会社の中で私一人で担当しており、生産や広報などもすべて外部に委託しています。そんな状況下で、TERMINALは優秀な社員を一人雇っているような感覚で、コストパフォーマンスも非常に良いと感じています。私はパソコン操作が得意な方ではありませんが、TERMINALは操作も簡単で時間もかからないため、本当に助かっています。」岡田さんは、今後TERMINALを活用し、全国の農業に従事する仲間たちがKEIMENを注文できるようにしたいと考えているそうです。「全国の農業仲間の皆さんは、忙しくてなかなか展示会に来ることができません。そのため、知り合いの農家の方々限定のQRコードを発行し、ご案内できればと考えています。TERMINALだからこそこのようなことが可能になると思いますので、より積極的に活用していきたいです。」TERMINALは、個人でブランドを運営されている方や小規模でブランドを運営されている方にも多数ご利用いただいております。ぜひお気軽にお問い合わせください。