ECを中心に多数のブランドを手掛けるファッションカンパニー株式会社アンティローザは、既存のアパレルビジネスとは少し異なる、極めて現代的なビジネススタイルを展開しているファッションカンパニーです。自社企画のブランドだけでなく、数多くのインフルエンサーとタッグを組んで手がけているブランドを合わせると、その数はなんと80以上。そのほとんどがEC主体で、ZOZOTOWN上で販売されているブランドは会社全体の約9割に及ぶといいます。 「自社企画で15年以上展開しているブランドもありますが、インフルエンサーさんと共同で運営しているブランドも多いこともあって、売上規模はそれぞれ異なります。手がけているブランドのほとんどが直近のトレンドと連動し、非常に短いサイクルで企画、生産、販売までを行っています」そう話すのは、今回取材させていただいた水野ちひろさん。約6年前に入社した水野さんは、アパレル会社のセールスやPRを経て、ご自身の夢でもあった花屋にも勤めていました。株式会社アンティローザが雑貨事業を手がけていた際に、「アパレルのことも分かる植物のセレクター」として声をかけられ、現在では新規事業の『OPULENCE』のディレクター、そして別ブランドでもインフルエンサーのサポートもするなど、社内の多方面で活躍されています。卸売ブランドとして誕生した『OPULENCE』株式会社アンティローザは、アパレル事業を中心に据えながら、時代に合わせて柔軟に業態を変化させてきました。「もともとは25年前にアメリカの古着買い付けからスタートし、のちに自社製品を手掛けるようになりました。ほんの数年前までは、いわゆる製造小売がメインで、自社店舗も40〜50店舗展開していました。しかしZOZOTOWNさんを販売プラットフォームにした事業が非常に好調だったことから、ECメインで販売する業態に梶を切りました。そこから間もなくコロナ禍に突入したので、図らずもその方針転換が功を奏した形になりました」EC事業が好調な同社でしたが、社内で「よりファッション的感度が高く」「よりブランド特性が強い」卸売ブランド事業の構想が生まれ、『OPULENCE』が誕生しました。「『2023年SSシーズンから新ブランドを始める』と社内で決定したのは、シーズン開始直前の2022年末のことでした(笑)。そのため、企画から生産までかなりタイトなスケジュールで進行しましたが、弊社が得意とするスピード感を持ったスキームでなんとかローンチに間に合わせることができました」そうして生まれた『OPULENCE』。事前に卸先に声をかける間もなかったため、ローンチ後に全国のセレクトショップに案内を送り、ブランドの存在を認知してもらうことから始めたそうです。そんな怒涛のスピード感で生まれた『OPULENCE』ですが、コンセプト設計や、デザインの評価も高く、全国のセレクトショップ店からの反応は非常に良かったそうです。「『リラックスした暮らしを求めるこれからの人々へ、最高の美しさと快適さを、5感に響く花のように感性を刺激する、ライフスタイルプロダクト』というコンセプトをベースに、大人向けのデザインや価格設定にこだわっています。私が花屋出身だったこともあり、ブランドの裏テーマは『花とヴィンテージ』。お花を見て誰もが『美しいな』と思う感覚、そしてヴィンテージ特有の、長い時間の中で価値が育まれるというカルチャー的な要素を加えながら展開しています」TERMINALの導入を決めたのも水野さん。卸先に向けて展示会を開催することが決まった2024AWシーズンのタイミングで、導入を開始しました。多数の既存ブランドでECを利用しているため、社内で卸売向けのECを構築することもできたはずですが、TERMINALを導入したのには明確な理由があったと水野さんは話します。「オーダーシステムを自社で開発するコストや労力、時間をかけている猶予がなかったのもありますが、全国のセレクトショップにURLを送るだけで商品を公開でき、そのまま発注までしてもらえるというのは、これまでに多くのバイヤーの利用実績があるTERMINALだからできることです。来場型の展示会も開催するようになっていますが、TERMINALであればお越しになれない方でもオーダーできますし、それがまさにECでビジネスを展開してきた弊社の求めていたものでもありました」時代の流れに沿って、EC販売を強化してきた同社ですが、水野さんは『OPULENCE』を通じて卸ブランドの強みや魅力を再認識しているそうです。「展示会にお越しいただいた全国のセレクトショップさんの反応がすごく熱いんです。『OPULENCE』はECだけで購入を決めるには少し高額なこともあり、実際にモノの魅力を伝えてくださるお店の方が不可欠です。TERMINALは全国の個店さんにも浸透していますし、使いやすく、公開範囲の設定なども簡単にできるので、欠かせないものとなりつつあります。まだまだ使えていない機能が沢山あるので(笑)、もっと活用できるようになりたいですね」よりスピード感が重要になっている現在のアパレルビジネス。TERMINALでは、めまぐるしく変化する時代にも対応できるサービスを提供しています。ぜひお気軽にお問い合わせください。