世界を駆け巡り新たな価値を探すベテランバイヤー日本を代表するセレクトショップカンパニーのひとつ、株式会社ユナイテッドアローズで活躍する多田亮平さん。社歴18年、バイヤーとしては10年のキャリアを持ち、現在は「BEAUTY & YOUTH」と「H BEAUTY & YOUTH」のメンズカテゴリバイヤーを務めています。「当社のバイイング比率は、洋服が3〜4割、雑貨類が6〜7割という比率です。ブランドやアイテム選定の基準を言葉で表現するのは難しいのですが、社内スタッフ間の感覚や共通言語を大切にしながら、各レーベルの世界観に合うものを価格や実績など、さまざまな角度から選定しています」多田さんは国内外のブランド買い付けを担当しているため、展示会シーズンには世界中のコレクションや展示会場を駆け回ります。「以前はミラノ、パリ、アメリカと広範囲に出張していましたが、近年はほとんどのブランドがパリのファッションウィークに集結するようになり、活動拠点はパリが中心になりました。期間中は1日に7軒ほど訪問し、5日間で約40軒の展示会を回ります。日本帰国後も展示会巡りが続くので、シーズン中はほとんど外出している感覚ですね」同社のバイイングは多田さん一人で行うわけではなく、チームで連携し、各レーベルディレクターやMDと綿密に打ち合わせをしながら進められています。「昔から変わらない手法ですが、展示会では気になる商品の写真やタグを撮影して商品情報を持ち帰ります。後日ブランド側からオーダーシートが届き、その写真をもとにオーダーを入力するのが一般的です。ただ、ブランドからオーダーシートが提供されない場合は、弊社独自の発注シートを使用することもあります」全体の4割の仕入れをTERMINALからおこなうように多田さんはバイヤーとしての10年のキャリアの中で、TERMINALのようなデジタルオーダーシステムが業界全体に徐々に浸透してきた変化を肌で感じてきました。「コロナ禍頃からデジタルオーダーシステムを導入するブランドが増えてきました。現在ではTERMINALが全体の4割程度を占め、残りは他のサービスや、特に海外ブランドの場合は独自システム経由でのオーダーが多いです。その中でも最も頻繁に使用しているのがTERMINALという印象ですね」多田さんは当初、デジタルオーダーシステムについて、バイヤー側からすると「少し面倒だった」と振り返ります。「当社では、バイヤー自身が社内システムにメーカー品番、カラー、サイズ、販売時期、独自性などの様々な項目を入力して発注書を完成させる必要があります。これがかなり大変で時間のかかる作業なんです。最初は『デジタルでオーダーして、二度手間だな』と感じていましたが、近年は展示会から発注までのサイクルが非常に短くなり、デジタルオーダーは必要不可欠な存在になっています。今ではまずオーダーを完了させ、後から社内システムに入力するという流れが定着してきています」この「CASE STUDIES」では、メーカーやブランド側が旧来のアナログなオーダー方式を使用していた際の「集計ミスが多かった」という事例をよく紹介していますが、発注側であるバイヤーの立場ではどうだったのでしょうか。「当社の場合は、チェック体制がしっかりしているせいか、そうした発注ミスはあまりなかったと思います。それでも万が一に備えて、展示会でもらったラインシートや紙の資料は1年間ほど必ず保管しています。もちろんTERMINALなら、オンライン上で履歴を簡単に確認できるので、その点も安心です」使い比べたからこそわかる安心感デジタルのオーダーシステムは現在、ファッション業界に広く浸透しています。さまざまなフォーマットで発注経験を持つ多田さんに、TERMINALと他のサービスとの違いについて伺いました。「中には目が疲れるような、いわゆるバイヤー泣かせのシステムや入力フォーマットもあります(笑)。その点、TERMINALは非常に直感的で使いやすいUIだと思います。シンプルで分かりやすいため、オーダー作業も楽です。TERMINALに近いレベルのシステムもありますが、特に海外のサービスはサポート体制が不十分なことが多いんです。他社のシステムでは、オーダーしたはずのデータが完全に消えていたこともありました。困ってサポートに連絡しても、まったく繋がらないことも。TERMINALの場合は迅速に対応してくれる体制が整っているので、バイヤーとしても安心です。とはいえ、私自身は問い合わせが必要な事態に陥ったことはないですけどね」多田さんは、TERMINALが様々なブランドと実際にコミュニケーションを取っている点も高く評価しています。「私も様々な展示会に足を運びますが、そこでよくTERMINALのスタッフの方と出会うんです。このようにしっかりとブランド側とコミュニケーションを取っているんだな、と感じます。デジタルのオーダーシステム導入を検討しているブランドには『TERMINALがいいですよ』とお勧めしています(笑)」多田さんは現在、TERMINALのシステムとユナイテッドアローズの社内システムとの連携を切望しています。「今はTERMINALでのオーダーを社内システムに直接取り込めないのですが、もし連携が実現すれば、非常に便利で"最強"のシステムになると思います。最近、社内のシステム担当から『TERMINAL経由のオーダー数はどのくらいか』という問い合わせがあったので、連携の日も近いのではと期待しています(笑)」今回は「バイヤー目線」からTERMINALの活用について紹介しました。TERMINALでは、ブランド側だけでなく、発注するバイヤーの方々にとっても使いやすいサービスと、安心して利用いただけるサポート体制の充実に努めてまいります。