コロナ禍前の2018年にTERMINALを導入デザイナーの久保嘉男さんが『yoshiokubo』を立ち上げて17年。株式会社groundfloorは、メインブランドの『yoshiokubo』、ウィメンズの『muller of yoshiokubo』、そしてユニセックスの『UNDECORATED』の3ブランドを展開する企業に成長しています。主に国内の卸先が多い展示会は、それぞれのブランドの成長とともに煩雑になっていたそうです。「取引先も多く、オーダーのフォーマットもバラバラでした。それぞれの会社のオーダーシートや、メール、ファックスなどで来たオーダーを当社のエクセルフォーマットに入れてスタッフがダブルチェック。それを納品システムの方にも打ち込むという作業をやっていたのですが、だんだんスタッフも手が回らなくなって来ていました」(小谷さん)「個人オーダーもかなり増えていたのですが、紙でオーダーを取っていたので、その紙の厚みもすごいことになっていましたね(笑)。サイズが1つズレていたり、色が逆になっていたりするミスも結構ありましたし、個人オーダーの送り先の記載がなかったりすることも多かったです」(塩谷さん)株式会社groundfloor がTERMINALを導入したのは2018年から。「他社さんからも同様の売り込みがあったのですが、周囲でTERMINALを使っている会社も増え始めていたし、さらにウチの場合は国内取引先の方が多いので、国内に強いTERMINALを選びました」(小谷さん)TERMINALを導入後、展示会の準備や集計業務は大幅に効率化されたとお二人は話します。「まず展示会の資料の準備がすごく楽になりました。以前はエクセルの絵型に画像を貼り付ける際でも、画像をドラッグしてサイズを揃えたりするのも大変でしたが、TERMINALではテンプレートにアップロードするだけ。絵型だと1、2枚くらいしか入らなかったものが何枚も入れられるので、取引先にも分かりやすい資料になりました」(小谷さん)「個人オーダーの集計も楽になりました。送り先の記載漏れもなくなったので、送付をする際にも困ることもなくなりましたね」(塩谷さん)思わぬ副産物。カスタマーリレーションも改善TERMINAL導入後、当初は想定していなかったメリットがあったとお二人は話します。それは一般ユーザーからの問い合わせの対応における活用です。「一般のお客様から、『この商品はどこのお店(卸先)に売っているのか』を電話で問い合わせいただくことがあるのですが、これまでは当社が使っているシステムの中にしかそのデータはなく、そのシステムにアクセスできるのは一部のPCと、一部の人間だけで、回答までに時間がかかることも多くありました」(小谷さん)「TERMINALはほとんどのスタッフがログインできるので、どこのお店にどのアイテムが入っているかもすぐに分かるので、対応した者がすぐに回答できるようになりました。もちろんそのお店にその在庫が残っているかまでは分からないのですが、カスタマーサービス的にもTERMINALが活用できたのは予想外でしたね」(塩谷さん)デザイナーズブランドとデジタル化の相性2018年からTERMINALを導入していたこともあり、新型コロナウイルスの拡大によってリアルな展示会に来場できない取引先への案内も出来たことは、ビジネスの機会損失を抑えるのに一定の効果があったとお二人は話します。「コロナによって卸先さんも売り上げが厳しいところが多いので、正直我々にとっても厳しい時期ではありましたが、それでもTERMINAL利用していたのは良かったです」(小谷さん)「コロナ禍でも展示会は開催を続けてきました。やはり実物をご覧いただきたいのですが、お越しいただけない方にはTERMINALとZOOMミーティングを併用したり、どうしても実物を見たい方にはサンプルを送るなどして対応することで、できるだけリアルとの差を埋めようとしてきました」(塩谷さん)最後に、より実物のディティールやコレクション全体の雰囲気も重要な『yoshiokubo』のようなデザイナーズブランドにとって、今後のデジタル化はどのように考えているのかをお聞きしました。「ウチの展示会では、デザイナーの久保も取引先とお話することが多々あり、卸先の中でも久保と話をしながら注文をするのを楽しんでいただいているところは多いです。もちろんそうじゃないところもあるかもしれませんが(笑)。でも久保自身も実際に作った服を見ていただきながら、喜んでもらったり、驚いてもらったりすることが本人のモチベーションになりますし、我々営業チームも会社として顔の見えるコミュニケーションを大切にしています。コロナで取引先の方が来ることが出来なくなって、TERMINALなどのおかげでデジタルだけで完結できるところも増えましたが、ウチの場合はやはり今後もリアルな展示会や会話を大事にしながら、上手くデジタルを活用していくやり方を続けていくと思います」(小谷さん)世界観やディティールにこだわるデザイナーズブランドにおいても、TERMINALを活用いただく実例が増えています。TERMINALでは実用・機能面だけでなく、ブランドの世界観までも伝えられるようなアップデートも継続的に実施していきます。